●休日の過ごし方:爪木崎、水仙
このあいだ、この世の果てまで行きました。
刻一刻と空の色が変わり、水仙が群生しているせいで
ただ歩くだけで甘い匂いがして、酔っ払いそうでした。
交互に、海の匂いと水仙の匂いがする。猫が二匹遠くから見ていました。
匂いに酔っ払いながら、あることないこと喋り始めてしまいそうでした。
お酒が呑めなくなったって、酔っ払う方法は他にもあるね。
酔っ払えたら、お互い本当のことを伝え伝えていけるから、大丈夫。
びゅう、びゅうと風が鳴る。
生まれたての今日の満月は大きくて、指でつまめそうでした。
指でつまんだら、一瞬熱くて、柔ら硬い感触が残って、
あっという間に溶けて滴り落ちてしまいそうな丸でした。