●東ハトmobの広告から、若者コトバ
最近新商品リリースしまくりヒットヒット!な東ハトですが、
一番最近出したのがmobiシリーズ。
コンセプトは携帯できるお菓子。ターゲットはたぶん若者、しかも金のある20代。
自動改札のカード入れるところに宣伝シールを貼っていたので、
いやがうえにも目に付いて気になっていました。
しかもかなり早いうちから広告を始めたらしく、期待だけが高まり商品は無く、
最近やっと店頭で見かけて、あ、これかあ、といった印象です。
目の付けどころもいいし、おいしいって評判だし、割高でもまあいいんだけど、
新橋の駅でいつも目にする駅ボード広告のキャッチコピーが不愉快です。
それぞれの味をキャラクターに見立てて展開しているのですが、
それにあわせて「コードネームはイチゴちゃん」とか
「やるときはやりますよ(笑)」とか「てゆうか、親父と一緒にすんな」とかいった感じの
若者コトバでキャッチコピーが作られていて、なんとも馬鹿にされた気分になります。
コピーの評価はおいておいて、大事なのはなんで私が不愉快になるかという考察。
●若者コトバは若者が喋るときに使われる
私も齢21なので、友達と喋るときは
「ていうか」「てかんじ」「ありえない」などなど品の無い若者コトバを使います。
けれど公式な場所では絶対に喋らない。もちろんコトバのTPOがはっきりと違うからです。
友達同士で若者コトバを使って喋る感覚とは、
気の置けない仲間とくだらないことでワイワイというもので、それは傍目に楽しそうで、
きっとこのmobiもその雰囲気を出したかったのでしょう。
ターゲットの若者に親近感を持って欲しかった、「俺らの仲間」として扱って欲しかった。
●フツウの若者は若者コトバが軽蔑されていることを知っている
けれど、私たちフツウの大学生は、
若者コトバが上の年代に軽蔑されるものであることを知っています。
ら抜きコトバなんて類の問題もあったように、
女子高生のシンボルであるかのように「ていうかー」と芸人は繰り返すし
若いことを強調するように「マジで!マジで!」とインタビューはTVから流れます。
それは、見ていてすごくわかりやすくて面白い。
だけど尊敬されていないことくらい、わかります。
世間に笑とともに受け入れられていることくらい、みんな若者はわかっています。
●そんな世間が若者コトバを使ってきた
mobiの広告は「あきらかに仲間じゃないモノ」(だってお菓子だもんね)が
若者コトバをつかって近づいてきたように見えるのです。
仲間に入れて、と素直に言わずに、俺って仲間だから、と
もぐりこんでくる無作法モノを発見してしまった気分になります。
若者コトバがすごく身近なものであることから、
それを異質が使っていることに気持ち悪さを感じます。
友達づきあいと下心は絶対離れてないといけないのに、
友達づきあいで下手な嘘は絶対ついたらいけないのに、
下心みえみえでしかも自分達のコトバを使って近づいてきた。
馬鹿にされている、とわかってしまいます。
お前らこんな感じが好きなんだろ?、と上のほうから提案された感覚です。
よって、きっとこの気持ち悪さは、
テリトリーの侵害と、正面対決ではなくもぐりこもうとするパワーの卑怯さに対する
世代特有の嫌悪だと思いました。
就職活動中には、こんなかんじで刺激を受けるモノにぶつかります。
コメント
悠 さん はじめまして kn-go です。
なるほど、東ハト結構、「力」入れてたんですね。
>世間が若者コトバを使ってきた
このような傾向は増えていくと思います。
現場にいて私が感じることは、メディアへの露出と販売が必ずしも比例しないこと。最近、良く感じております。 その辺り、店作りにおいて多少苦労する時があります。
また、「コンビニに目立つように置かれている」=「宣伝になる」という考えもあるようですが。
どーなんでしょう?
Posted by: kn-go | 2004年05月06日 14:26
kn-goさん、はじめまして。
mobi売れてないようですね、大変ですね販売も。
中学のころから広告を見るのが好きで、
折込チラシから広告雑誌まで幅広く読んでいたのですが、
わかったことは、
トマト一つ売るときにあややを出しても仕方ないってことですね。
商品に似合う宣伝の仕方、商品の身の丈にあった広告が
的確だったときに広告は機能すると思います。
恋愛と同じですね。
どんなに誇大広告しても実物とつりあわなかったらがっかりしちゃいますよね。
コンビニの現場のお話、面白く読ませてもらいました。
いろいろと細かに心砕かれていて感心します。
目立つ商品はつい買っちゃうことも多いですが、
すみっこにあるうまい棒がわたしのおやつの定番です。
Posted by: haruka | 2004年05月06日 15:17