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2004年03月14日

●ペピン「東京の米」総まとめ

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ようやくまた、一つのお芝居に幕を降ろすことができました。
「東京の米」再演@池袋芸術劇場

一番嬉しかったこと-よねちんに「ナギーが女の子になってる!」と言われたこと

再演ということで、色々と細かく神経を使いました。
どうやったら違うメンバーで違う形で作品を鮮やかにすることができるか。
すごくシビアなお題だと思いました。
私達は毎日変わっていくから、昨日と同じなんてありえないから、
その変化を掬い取って表現したいものにつなげていく作業はこんなに難しいんだね。

コンテクストを重要視する、なんてことを私は大学で勉強しているけれど、
それが自分の身に降りかかってようやくわかるところがあったと思います。
御伽噺でもなんでもなく、普通の女の子が米を産んでしまうこと。
普通の女でありたいこと、普通の女の夢、恋、性、もろもろもろ。
前回のほうが良かった、という人が多いけれど、私はすごく満足をしています。
どっちがよかったじゃなくてね、今回は女の子と男の子のお話だったんだよ。
それを体現することが少しでもできて嬉しい、お芝居は疲れるけど、楽しい。

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こないと思ったら観に来てくれた実穂。きてくれて、本当に嬉しかった。
ずっとそばにいるのに、何やってるか知らないなんて不健全よ、ねえ。

たくさんの友達、先生、そして私とは面識のないお客さま、どうもありがとうございます。
自分達の表現を観てくれる人がいて、初めて舞台は成立します。
私はお客さん一人一人に伝えたいことがそれぞれあって、
「あの子にこの気持ちが伝わりますように」「あの男にこの思いが届きますように」
そういう風に、まるで手紙のようにお芝居を作っています。
自己満足の披露のために呼んでるのとすれすれかもしれないけれど、
でもそういう想いのほうが、本物だと思う。
一生あなたと私は同化することはないから、あらん限りの気持ちを、
声を大にして私は届けたいです。
ああ、私はずっと、中学生からずっと、このことを考えていたんだな。

団体に参加してものを作っていくのは根気のいる作業です。
どうやったって私情と仕事は切り離せないから、
頭にくることも、相容れないこともたくさんあるけれど、
そうやって私以外の人の情熱を見つめることで気がつく自分の情熱もあります。
体と心に限界が来ない限り、冷静にこの活動を続けたいと思っています。本心。
だから、もし次があったら、皆さんまたいらしてください。
私が愛を振りまきます。そう言っちゃってもいいと思います。
それは愛。あなたからあたしへの、あたしからあなたへの。
技術にはもうちょっと目を瞑ってて。そのうち上手くなるから、気長に。

花束、どうもありがとう。
花を抱えて変える電車の中ほど、人生で誇らしい瞬間はありません。

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